COLUMN

2021年7月20日 コラム

海洋プラスチックごみ問題 日本の次世代教育

プラスチックの歴史を紐解くと、生産量が急増した歴史は浅い。1950年から2015年の間に製造された世界のプラスチック総量は78億トンと言われており、その半分は過去13年間に生産された。1950年には200万トンだった生産量は2015年には3億8000万トン、約20倍に激増している。その中でも日本は容器包装プラスチックごみの排出量が世界2位と日常生活におけるプラスチック依存度が高い国であることがわかる。

【参考】
https://lessplasticlife.com/marineplastic/driver/global_plasitc_production/

私たち“大人世代”はまさにプラスチックの耐久性・利便性に価値を見いだし、増産・利用を繰り返してきた。今、学校教育を受ける子ども世代から20代の若者は、この世に生を受けた日から使い捨てプラスチックが当たり前に日常に溢れる生活を送っている。その“当たり前世代”に海洋プラスチックごみ問題をどう伝えるか。私たちの自然・海をこれからも守るために『教育』で次世代へ繋いでいくことは重要な1ピースだ。

次世代へ広がる様々な教育ツール

◼政府は「プラスチックスマートキャンペーン」を開始し、プラスチックごみ問題に貢献する企業・団体などの事例を紹介する特設サイトを設けている。その中に「親子で学べる海洋プラごみ教材」を年代別に用意し、学校の家庭科や社会の授業で教材として使用する狙いで提供され、教育現場で実際に使用されている。

http://plastics-smart.env.go.jp/

http://plastics-smart.env.go.jp/about/material/

“若者にも分かりやすい”を意識したコンテンツは他にも多数ある。

◼NGO4団体(WWFジャパン、全国川ごみネットワーク、日本野鳥の会、容器包装の3Rを進める全国ネットワーク)が提供した教材「海洋プラスチックごみについて考えよう」もまた様々な教育現場で使用できるよう、内容や紙芝居にもできる出力サイズに至るまで工夫されており、子どもの自由研究課題などにも役立っているという。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000100.000018383.html

◼日本財団、総合海洋政策本部、国土交通省が旗揚げの「海と日本PROJECT」では、日本全国で開催されている海のイベントの企画や、情報を発信している。そのどれもが次世代へ美しい海を繋いでいくための“教育”を強く意識したコンテンツであり、海洋プラスチックごみ問題とも向き合っている。

https://uminohi.jp/

https://uminohi.jp/stayhomewiththesea/index.html

◼東京海洋大学名誉博士・客員准教授のさかなクンは「環境省プラごみゼロアンバサダー」や外務省の「海とさかなの親善大使」を務めるなど政府へ海洋環境に関する提言も行っている。その一方で、学研キッズネットのYouTubeライブでマイバッグを子どもたちと一緒に作成し、海洋プラスチック問題を分かりやすく伝えるなど“楽しく学ぶ”観点を大切に自身のYouTubeや講演会などで若者世代にもメッセージを送り続けている。

http://www.sakanakun.com/

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000060318.html

◼各家庭ですぐに取り入れられる教育ツールとしておすすめなのが絵本だ。『プラスチックの海(作 ミシェル・ロード)』や『プラスチックモンスターをやっつけよう(高田秀重 監修)』といったキャッチなタイトルや内容で絵本が多数出版されており、子どもたちの想像力を刺激することができる。

https://style.ehonnavi.net/sdgs/2020/10/30_004.html

紹介してきたこれらの取り組みやコンテンツはどれも素晴らしい。しかしプラスチックごみ問題教育のキーは“身近なライフスタイル”といかに直結できるかだ。

現環境大臣も「仕方なく、ではなく楽しんでライフスタイルを変えてほしい」と述べているように、私たち大人が使い捨てプラスチックに頼らないエシカルで心豊かなライフスタイルを実践する姿を見せるなど“教育”と“生活”両輪で次世代に示し、机上の空論で終わらせないことが最も大切なポイントである。

Plastic Fighters Japan(プラスチック・ファイターズ・ジャパン)について

「プラスチック・ファイターズ」は、世界45か国のソーダストリーム幹部職が集結し始動させた使い捨てプラスチック廃止活動。
ホンジュラスのロアタン島で行われたビーチの清掃活動では2000人ものボランティアが集まるなど、大規模な運動へと発展している。

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