COLUMN

2019年12月10日 コラム

ハワイが危ない 世界から集まるプラスチックごみと観光地の危機

ハワイの美しい海が、プラスチックごみに襲われている。ハワイ州議会は2019年、プラスチック容器の全面禁止に向けて動き出した。

米国ではこれまでに、カリフォルニア州がプラスチックストローを任意提供に変更し、サンフランシスコなどの大都市でも使い捨てプラスチックの禁止を実現してきた。ハワイではさらに一歩踏み込み、プラスチック容器の全面禁止を検討中だ。

 

ハワイに押し寄せる世界のプラスチックごみ

ハワイの中でも、ハワイ島とカリフォルニア州をつなぐエリアには大量のプラスチックごみが浮かぶ。この通称・「太平洋ごみベルト」の面積は160万平方メートルと、日本の国土面積の4倍に達する。

2018年には、日本からハワイへと太平洋横断の遠泳に挑戦していたフランス人男性が「太平洋ごみベルト」へ遭遇した体験を語った。ルコントさんは海洋プラスチック汚染の現状を探るために遠泳へ挑戦し、3分ごとにプラスチックごみと遭遇したそうだ。

プラスチックごみには日本製の製品もまぎれている。国内でリサイクルされず、捨てられたプラスチックごみが河川へ流れ込み、そのまま海洋を漂ってハワイへたどり着いたとみられている。世界には毎年800万トンのプラスチックごみが流れ込んでおり、ハワイはプラスチックごみの終着地点のひとつとなっている。

 

劣化したプラスチックが海岸にへばりつくことも

やっかいなのは、太平洋ごみベルトに浮かぶプラスチックが普段我々が想定する「プラスチックごみ」のように回収できないことだ。プラスチックは紫外線や障害物の影響で劣化し、砕けて小さくなる。特に5mm以下まで粉砕されたものをマイクロプラスチックと呼ぶが、ここまで小さくなると人の手で拾い上げられない。

ハワイの中でもハワイ島では、細かいプラスチックの膜が波打ち際の岩石に張り付く「プラ球体」が見つかっている。プラ球体は岩石にシミのように残って作って景観を損ねるだけでなく、海洋生物のプラスチック誤食につながるリスクもある。「プラ球体」はキャンプファイヤーで燃えたビニールシートなどが岩石にへばりついたことで発生するとされており、観光客のマナーが問われている。

プラ球体に限らず、プラスチックごみがハワイの海岸を覆うと、本来海岸沿いに生育できる藻の居場所が減ってしまう。藻を食べる小さな海洋生物が減り、さらにそれを食べる小魚、小魚を食べる大きな魚が減少し……と、プラスチック汚染はハワイの生態系全体にも影響を及ぼすとみられている。

 

ハワイ人気再上昇、それゆえにエシカルな観光を

ハワイは年間13.1万人の日本人が訪れる、海外旅行の人気スポットだ。ハワイを訪れる観光客の国籍ランキングでも、日本が1位になっている。だが、そこへ日本製も含むプラスチックが押し寄せ、さらに現地でプラスチックごみを増やしては「かつて人気だった島」に変わり果ててしまうかもしれない。

環境に配慮した観光を「エシカル・ツーリズム」または「エシカル・トラベル」という。旅行先へも、何度も使えるエコバッグを持っていく。お店のご飯を持ち帰るなら、容器は持参のお弁当箱にしてもらう。プラスチックや缶など再生できる製品をポイ捨てせず、リサイクル用のごみ箱に回収してもらう。マイボトルを持っていき、自販機での購入を避ける。こういった細かな配慮は、普段暮らしている家ではできても観光地でないがしろにされがちだ。

「使う前より美しく」とは、日本のキャンプ地などでよく言われるマナーだろう。このマナー意識を、観光地へも持っていこう。未来のハワイが美しい島であり続けられるかどうかは、他の誰よりもハワイを訪れる日本人にとっても無関係ではない。

Plastic Fighters Japan(プラスチック・ファイターズ・ジャパン)について

「プラスチック・ファイターズ」は、世界45か国のソーダストリーム幹部職が集結し始動させた使い捨てプラスチック廃止活動。
ホンジュラスのロアタン島で行われたビーチの清掃活動では2000人ものボランティアが集まるなど、大規模な運動へと発展している。

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