COLUMN

2020年8月13日 コラム

「有料化の前」にプラスチック袋を廃止したエコ・コンシャスな企業9選

プラスチック製レジ袋の有料化が、2020年7月1日から始まった。プラスチック以外の素材なら無償提供できるからと今夏から紙袋へシフトする企業も多いだろう。

だが、世の中が紙袋で埋まる前にいち早く脱プラスチック化に取り組んでいたエコ・コンシャス(環境保護に関心を持つ)企業があることを改正後の世界にも伝えておきたい。今回紹介するのは、率先して脱プラスチックを果たした10社だ。

 

レジ袋有料化が話題になる前から「脱プラ」したエコ・コンシャスな企業4社

本稿のために、プレスリリースや記事のアーカイブを調べたところ、日本で最初に「レジ袋が有料化されるらしい」と記事化されたのは2018年10月ごろ。それ以降、急ピッチで脱・ビニールのレジ袋へ舵を切った企業は多い。

だが、それ以前から脱プラを果たしていた企業がいくつか存在する。大手から見ていくと、良品計画が経営する無印良品の銀座店がある。2018年10月時点から、無印良品・銀座店は紙袋のみでレジ袋を提供すると決定していた。また、イケア・ジャパンは同年、2020年までに使い捨てプラスチック製品の全廃を発信している。

 

意外なところでは損保ジャパンが、社内で脱プラを開始していた。エコバッグを社員から集め、再利用する仕組みを整えたのだ。同時にプラスチック製コーヒーカップや、ストローの提供も止めている。

その他に、動物園が早期に動いていた。2018年10月、那須どうぶつ王国はプラスチック製の容器を紙や木製に切り替えると発表した。筆者の推察だが、プラスチックごみは海や山で動物に誤飲され、栄養失調から餓死を引き起こすケースが報告されている。動物園がエコ・コンシャスになったのは、日々動物をケアする立場にあってこそと思われる。

 

法改正の確定前に、脱プラスチック化を進めた5社

その後、レジ袋の法改正の確定が一斉に報道されたのが2019年6月3日。セブン&アイホールディングスはその直前に当たる5月、2030年までにプラスチック製レジ袋ゼロを目指す指針を固めていた。生活雑貨を扱うロフトもその少し前に、2020年までの紙袋化を宣言。

さらに、アパレルブランド「アース・ミュージック&エコロジー」や洋服のレンタルアプリ「メチャカリ」で知られるアパレル・IT企業のストライプがレジ袋を紙製に変更すると発表した。全国26店舗を持つアパレルブランド「SPINNS」も紙袋への移行をPR。また、サプリメント等を提供するファンケルがプラスチック製の買い物袋を3月から廃止した。

 

ますます進む脱プラスチック化と、求められる消費者の目

ここまでの流れを見ると、水漏れしやすい飲食物を扱う企業は、紙袋を使用するデメリットが大きいことから導入が長期プロジェクトになり、アパレルやサプリメントなど水漏れしにくい商品を扱う企業は、急ピッチで脱プラが実現できていたようだ。

今回は法改正が一般に広まる前の段階から脱プラスチックへ動き出していた、エコ・コンシャスな9社を挙げた。その後も各企業が脱プラスチック化を果たしているのは、最近のニュースで見るとおりだ。

 

他方で今年の7月以降は、「レジ袋を有料にさえすればいいだろう」と格安でプラスチック製レジ袋を提供し続ける企業が出てくるはずだ。改正後も有料レジ袋の価格は自由に設定できるため、格安に設定し「これまでと大差ない」売り方をしたい店が出てくるだろう。さらにクリーニング店や保険など「商品ではなくサービス」を扱う店は、規制の対象外だ。

そこで法改正後もエコ・コンシャスな企業を選べるかどうかは、私たち個人にかかっている。近隣店舗のどこを選ぼうか迷うとき、頭の片隅に「脱プラスチックを果たしているか」を基準として置いてみてはいかがだろうか。

Plastic Fighters Japan(プラスチック・ファイターズ・ジャパン)について

「プラスチック・ファイターズ」は、世界45か国のソーダストリーム幹部職が集結し始動させた使い捨てプラスチック廃止活動。
ホンジュラスのロアタン島で行われたビーチの清掃活動では2000人ものボランティアが集まるなど、大規模な運動へと発展している。

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